岡山大学J-PEAKSシンポジウムにて分科会「知と技術を繋ぎ、“支え合う力”を育てる」~暗黙知の共有から生まれる共創の未来へ~ を開催
本分科会では、大学における研究・教育・技術支援の現場に蓄積されてきた「暗黙知」に着目し、それを言語化・共有することで、職種や立場を越えた共創や支え合いをどのように育んでいけるのかについて、講演およびワークショップ形式で議論を行いました。当日は、学内外から多様な分野の教員、技術職員、事務職員など57人が参加し、職の垣根を越えた活発な意見交換が行われました。
本セッションは、「暗黙知をどう教えるか」ではなく、「どう扱い、どう向き合うか」を考える構成で進行しました。冒頭では、趣旨説明として総務部人事課森本由美子課長より、専門知識やノウハウそのものではなく、「違和感に気づく」、「迷う」、「根拠をもって判断する」といった職種を越えて共通する行動に焦点を当てること、そして取組3(研究基盤・技術人材の高度化)と取組4(人事・マネジメント戦略)は両輪として、知と技の専門性と組織を動かす力を同時に高めることで、研究力強化と大学改革を前進させるという考え方が共有されました。
続いて、大阪大学D3センターの甲斐尚人准教授の基調講演では、暗黙知と形式知の関係やマニュアル化の限界について講演が行われました。また登壇者(達人)が自己紹介として、それぞれ経験した過去の違和感や迷い、判断に至った背景を語りました。ワークショップでは、参加者が小グループに分かれて「達人」を囲み、対話を通じて共同化・表出化・整理をするため、「達人」の判断の前後や迷いの瞬間を掘り下げ、模造紙を用いて可視化しました。完成度を求めるのではなく、曖昧さも含めて残し、比較や振り返りを通じて暗黙知の輪郭を捉えることを重視しました。各グループでのディスカッション後は各グループからポイントの共有発表を行いました。
セッションの締めくくりとして、総合技術部 医学系技術課楢崎正博課長よりあいさつがあり、共有された暗黙知や対話のプロセスが、個人の経験にとどまらず、組織としての学びや人材育成につながっていくことへの期待が述べられました。
登壇者
・長岡技術科学大学 近藤みずき 様
・新潟大学 寒川美樹 様
〃 西山純一 様
・信州大学 吉成昭裕 様
・大阪大学 稲角直也 様
・岡山大学 中村有里
運営は、若手・中堅職員を中心に、事務職員と技術職員が連携して担う初めての試みでした。運営メンバーの一人である総務部人事課の福永浩樹事務職員は、「この数か月間、多くのことを学ばせていただきました。結果として成功で終えられたことを非常にうれしく思っています」と振り返っています。
分科会後の参加者アンケートからは、暗黙知を切り口にした議論の新規性や、職種横断的な対話の意義が高く評価され、暗黙知を表出化するプロセスを体験していただくという当初の狙いに到達できた分科会となりました。
本学では、J-PEAKS事業のもと、研究力強化や社会実装の推進とともに、それらを支える研究基盤改革として、人材の高度化や連携の仕組みづくりを進めています。今後も、暗黙知の共有や共創を促す取り組みを通じて、持続的な大学改革と社会への貢献を目指していきます。
【本件問い合わせ先】
岡山大学総合技術部 技術専門職員 北條優子
TEL:086-434-1234
総合技術部HP
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| 大阪大学D3センター甲斐尚人准教授による「暗黙知」についての講演 | 「達人」自己紹介パート (信州大学 吉成昭裕様) |
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| ワークショップパートにおいて「達人」を囲み暗黙知を共同化・表出化・整理 | 各グループよりポイント共有 |



